アドビ システムズ 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:ジェームズ マクリディ)は、中小企業・小規模企業の判子慣習の実態を探るため、経営者を対象に行った判子の利用実態調査の結果を発表しました。調査は、従業員300名以下の企業に勤める全国の経営者・役員、計500名を対象にインターネットで行いました。
アドビシステムズが、従業員300名以下の中小企業の経営者、役員500名を対象にインターネットを介して、ハンコの利用実態調査を実施したと発表した。
調査期間は5月22日から26日。
- 契約時の判子利用率83.0%に対し、電子契約は17.8%
- 生産性を上げるため判子の慣習は無くした方が良いと思う 74.7%
- 50.1%が「自社で判子(捺印)の慣習を無くすのは容易ではないと思う」と回答
- 判子撤廃のハードル要因、トップ3は「取引先の都合」「法的有効性」「セキュリティ」
Contents
契約手法、判子が83.0%と最も多い結果に、電子契約の利用率はわずか17.8%
直近1年間の契約手法を聞いたところ、ハンコを使った契約が83.0%と最も多く、電子サインなどハンコを使わない電子契約の利用率は17.8%に留まった。
「判子は生産性を下げていると思う」72.6%
ハンコ(捺印)文化が仕事の生産性にどのような影響を与えていると思うかを聞いたところ、「生産性をとても下げていると思う」と「生産性を下げていると思う」を合わせて72.6%に。 多くの人がハンコ(捺印)文化は生産性を下げていると考えている反面、いまだにハンコを伴った契約業務が大半を占めることが明らかになった」。
「判子の慣習は無くした方が良い」74.7%、一方50.1%が「判子撤廃は容易でない」と回答
仕事でハンコを使用したことがあると回答した人に、生産性向上のためにハンコの慣習を無くした方が良いと思うかどうかを聞いたところ、74.7%が無くした方が良いと回答。
一方で、過去1年の契約取引などでハンコを使ったと回答した人に、自身の会社でハンコ(捺印)の慣習を撤廃することは容易だと思うかを聞いたところ、半数に上る50.1%が撤廃は難しいと思うと回答。
判子撤廃へのハードル要因、最多は「取引先の契約方法に従う必要がある」51.4%
ハンコ撤廃へのハードルとして具体的な要因を聞いたところ、最も多かったのが「取引先の契約方法に従う必要がある(51.4%)」で、「法的に有効かどうか心配(30.7%)」、「セキュリティ上の不安がある(30.1%)」と続いた。
また、その他回答として「役所の書類には判子が必須」「印紙税の扱いが良く分からない」といった回答も見られた。
新型コロナウイルス感染拡大防止をきっかけにテレワークが急速に進む中、政府は書面、押印、対面規制の見直しの検討をすすめ、書類処理のプロセスにおけるデジタル化を推進している。
今回の調査では、中小企業・小規模事業者の経営者の多くが、ハンコの撤廃を支持する一方、取引先(発注元)の慣習に合わせなくてはならず、契約プロセスを自発的には変更できないという実情が明らかになった。
アドビ システムズ 株式会社 マーケティング本部 バイスプレジデント 秋田 夏実は次のようにコメントしている。
「今回の調査から、自社の判断でデジタル化に大きく舵を切れるのは一部の大手企業に留まり、中小企業の場合には取引先企業との慣習が優先される傾向にあることが明らかになりました。企業同士における契約書のデジタル化を進めるためには、発注側が積極的に電子契約サービスを使うことが重要となると言えるでしょう。「Adobe Sign」はソフトの導入など取引先の手間をかけることなくオンライン上で契約を締結することができる電子サインソリューションです。引き続き電子契約への理解を促進することで、組織における新しい働き方へのシフトを支援してまいります。」
脱ハンコ、電子契約、リモート署名など、だいぶ聞きなれたキーワードになってきたように思う。
だが実際には、契約フローの変更に際しては、発注側のの影響もあるという結果になった。
契約というものが2社間以上のものなので、避けられないところだろう。
問題は、そのパワーバランスというべきだろうか。
両社で円満に取り決めをするのが理想だが、発注側の発言力が大きくなりがちだという事も、否定はできないだろう。
今にも増して電子契約が普及することが一つの解決策なのかもしれないが、papeless gateでの情報がその一助になれば幸いである。