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「テレワーク中でも出社」が4割|日本CFO協会が「新型コロナウイルスによる日本企業の 経理財務業務への影響」についての調査結果を発表

一般社団法人日本 CFO 協会(本部:東京都千代田区、理事⾧:藤田純孝、以下「日本 CFO 協会」)では、企業の CFO(最高財務責任者)をはじめ経理・財務部門の幹部を対象に、「新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査」を実施しました。 参照:日本CFO協会、「新型コロナウイルスによる日本企業の 経理財務業務への影響」についての調査結果と考察を発表
一般社団法人日本CFO協会は、「新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査」を実施したと発表した。 日本CFO協会は、「CFOを育て、日本における企業経営のグローバルスタンダードを確立する」をミッションとし、経営・財務に関する高い技術と倫理観を持ったCFOの育成に努めるとともに、CFO機能強化のための支援活動を展開している。 今回、日本CFO協会は、:日本CFO協会会員を主体とした日本企業のCFOおよび経理・財務幹部を対象にインターネットを通じてアンケートを実施。3月18日から4月3日で577名より回答が集まった。 ※以下調査結果の内容については、すべて日本 CFO 協会調べ

決算業務、財務業務ともに70%以上が今後の業務に影響ありと回答

新型コロナウイルスによる業務への影響について、決算業務では75%、財務業務では71%が「影響あり」と回答。 具体的には、決算業務における影響として下記のようなものが挙げられた。
  1. 海外拠点・子会社からのデータ収集の遅延
  2. 連結決算の遅延、監査対応の遅延
  3. 業績悪化・来期業績予測
  4. 有報記載のリスク情報の検討
  5. リモート対応による認識の齟齬
  6. リモート対応で全ての決算処理は不可能
また、財務業務における影響として下記のようなものが挙げられ、「景気の減退による影響」と「リモートワークなどの働き方による影響」の大きく二種類の影響が懸念されていることが分かった。
  1. 有価証券の評価減
  2. 資金計画・資金調達
  3. 在宅の限界(現物確認、銀行振込)

70%の企業でテレワークに取り組み

今年2~3月のテレワークの実施状況については、以下の通り。
  • 強制的に実施(7%)
  • 強制していないが強く推奨(34%)
  • 推奨しているがあまり実施せず(28%)
  • 実施も推奨もせず(26%)
  • その他(5%)
テレワークを実施または推奨した約70%のうち、「テレワーク実施中に出社する必要が発生した」という回答は41%。 出社理由としては、
  1. 紙の書類の処理(請求書・証憑書類・押印手続・印刷)
  2. 会議への参加
  3. 打合せ
  4. 銀行対応
など。 テレワークへの取り組みは広がったものの、自宅や社外では対応できない業務もまだ多いようだ。 また、30%のテレワークを実施しなかった理由として下記が挙げられた。
  1. 書類や証憑証跡のデジタル化がなされていない
  2. 外部関係者(銀行・監査法人・税理士・社労士・システム会社・コンサルティング会社など)とのリモート対応が不可能
  3. 自部門、連携部門に Web会議ツールがない
  4. PCを家に持ち帰ることができない
  5. 会計システム含む社内システムがクラウド化されていない
  6. 外部から社内の業務システムにアクセスできない

緊急時、平常時ともに高まるテレワークへのニーズ

今後、震災などの緊急時に備え、テレワークができる体制が「非常に必要」が69%、「どちらかというと必要」が27%で、合計96%に達した。 また、平常時においてもテレワークを「ぜひ導入すべき」が45%、「導入すべき」が30%で、合計75%となり、テレワークに対する需要は緊急時だけでなく平常時でも高まっていることが分かった。 必要な制度やシステムが未整備であることがテレワーク普及の阻害要因となっているが、テレワークを実施できていない企業の最大のネックとして請求書や証憑などの紙の書類がデジタル化できていない(77%)という回答が最も多く、テレワークを実施している企業でも紙の書類のデジタル化に対応できている企業は36%にとどまった。 テレワーク実施のためには紙文化からの脱却が不可欠で、社内システムの導入など経理・財務業務のデジタル化への対応が急務と言える。 さらに日本CFP協会では、企業努力に加えて、時流や現場の課題を踏まえたルールの変更や緩和などの法的対応も必要になってくるだろうとし、今後も追加調査していくとしている。
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