ニュース

<民法改正>制定後約120年、初の大改正 

来る2020年4月1日に、改正民法が施行となる。

民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)の施行期日は,
平成32年(2020年)4月1日
になりました。
参照:民法(債権関係)改正法の施行期日について

現行の民法は、明治29年、1896年に制定され、ほぼ改正されないまま今日までその効力を発揮してきた。
その間約124年。
明治時代からほぼルール変更がないまま、大正、昭和、平成、そして令和へと受け継がれていたというわけだ。
この約120年の間に日本だけにとどまらず、世界においても様々に情勢が変わっているにもかかわらず、日本国内のルールにおいては、律義に守り通されてきたということだ。
それがようやく約3年前の平成29年5月26日に、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)が成立。
そして、2020年4月1日に施行される運びとなった。

今回改正される事項は200以上もあるという事だが、民法全体に共通する規定である「総則」と、契約などに関する基本的なルールにあたる『債権法』と呼ばれる部分が改正となる。
120年以上も前の社会に比べると、社会経済は当然変わっており、その変化に対応してルールも見直すという事と、慣例などになっていたが法律上の記載が無かったものに関して、しっかり条文として明記し、正式なルールとするという事の2点が大きな変更点となる。

  • 実質的なルールの改正
  • 基本的なルールの明文化

法務省では、今回の改正に際して改正ポイントをマンガでも解説している。
桃太郎と学ぶ民法(債権法)改正後のルール

今回の民法改正により、曖昧だったルールが明文化されたりメリットもあるが、改正後のルールと現状の契約内容にズレが生じないか、しっかりと確認しておかないと思わぬ損害を被る可能性もある。
企業として下記点は特に注意してほしいところだ。

  1. 瑕疵担保責任に関する見直し
  2. 短期消滅時効の廃止
  3. 定型約款に関する規定の新設
  4. 保証に関する見直し
  5. 法定利率の見直し

1)瑕疵担保責任に関する見直し

瑕疵担保責任とは、売買契約において、買主が知らない欠陥があった場合に売主が負う責任のこと。
改正後は「瑕疵」という表現ではなく、「契約不適合」と表記され、買主は履行追完の請求や損害賠償請求、契約解除、代金減額請求ができることが明記される。

2)短期消滅時効の廃止

消滅時効とは、権利を行使しないまま一定期間が過ぎると、その権利が消滅するという制度のこと。
これまでの民法では原則10年と規定されているが、職業や請求の種類においては1~5年の特例が設けられている。
これが「短期消滅時効」というものだ。
改正民法においては、この「短期消滅時効」の特例は廃止され、原則5年(最長10年)とされる。

3)定型約款に関する規定の新設

この「定期約款」も色々な企業や個人が影響を受ける部分ではないだろうか。
当サイトもそうだが、ウェブサイトやサービスでもよく約款のページが設けられていると思う。
そして、何かを申し込んだり、購入したりする時に、チェックボックスなどで規約の内容に同意したことになることもご存じだろう。
対外の場合、その規約の中身を熟読することが無いこともご承知の通りだと思う。
ただ、現行民法において、この「規約」に関する記述がないことはご存じないだろう。
つまり現状「規約」というものは”法的根拠のない不安定なもの”ということが出来る。
改正民法においては、この「規約」について明文化され契約内容とするとされる。ただ、最終的には裁判所の判断としながらも、一方的に相手に不利な条項など不当な条項に関しては、効力が否定されることも明記された。
従って、これまでの約款を今一度見直しておかないと、思わぬ不利益を被る可能性も否めないだろう。

4)保証に関する見直し

いわゆる保証人に関する部分なのだが、債務保証により、保証人は主債務者が支払いをしなかった場合に、代わりに支払いをしなければいけないという義務がある。
改正民法においては、債務者が保証人と保証契約を結ぶ際に公正証書が必要になる。
また、個人保証人の保護の拡充の観点から、契約を結ぶ際には債務者は自らの財産や債務額、履行状況を保証人に公開する義務を課されることになる。

法定利率の見直し

法定利率とは、契約時に当事者間で金利を定められなかった場合に適用される、民法で定めた金利で現行の民法においては年5%と定められている。
今回の改正により、法定金利が年5%から年3%に引き下げられる。
商事法定利率も年6%が廃止され、同じく年3%となる。
契約書などで法定利率を用いている場合などは、利率が下がってしまっているので規定の見直しを急いだ方が良いだろう。

上記以外にも業種などによっては影響を受ける変更点もあるかもしれない。
顧問弁護士などとも相談し、規定や契約書の見直しをおススメしたい。
制定当初は、紙と印鑑での契約が大前提としてあったに違いない。
それが120年もの時代を経て、紙も印鑑も無い契約形態に形を変えるまでになった。
そして、後巻きながら、契約に関する法律もようやく変わろうとしてる。
電子契約含め商取引の現場は、どう変わっていくのだろうか。
令和に入ったこの時代の、“今どき”をこれからも追っていきたい。

RELATED POST