電子契約のあれこれ

電子契約と電子署名

電子契約を調べていくと、「電子なんちゃら」という似たワードがチラホラ出てくる。
中でも、“ 電子契約 ”と“ 電子署名 ”はなんとなく字面的にもその役割というか、機能がイメージできそうなものだが、はっきりと説明しようとするとこれが難しい。
調べてみると各社それぞれの説明が出てくる。
聞きなれないワードが散りばめられていて、なかなか言っていることが飲み込みにくいものもあるが、簡単すぎて不安になりそうなものもある。


「電子契約とは」で検索

まずは「電子契約」とは何なのかを見ていきたい。

電子契約とは

電子契約(でんしけいやく)とは、契約のなかで、合意成立の手段として、インターネットや専用回線などの通信回線による情報交換を用い、かつ合意成立の証拠として、電子署名やタイムスタンプを付与した電子ファイルを利用するものをいう。
参照:電子契約 – Wikipedia

インターネットなどを用い、契約に関する合意成立の証拠として、電子署名やタイムスタンプを付与した電子ファイルを、データセンターやクラウドで管理する契約の手段です。
参照:電子契約とは|Adobe Sign – Adobe Document Cloud

電子契約とは、これまで紙の契約書に押印して取り交わしていたやり取りを電子化し、紙の代わりに電子文書を、押印の代わりに電子署名を用いておこなう契約をいいます。
参照:StampPro. [電子署名法対応] 電子契約サービス

これらをまとめると、
『電子契約とは、電子署名やタイムスタンプを用いて電磁的に締結する契約の手段』 と言えるのではないだろうか。

電磁的」というワードがまず聞き慣れない。
だが、なんとなくイメージできそうなワードなのではないだろうか。
要はインターネット上でのやりとり、WEB上でのやりとり、データでのやりとり、といったところだろう。

この電磁的に契約を締結することを電子契約というようだ。
契約書としての要件を満たすためには、どうやら『 電子署名 』や『 タイムスタンプ 』というものが必要になるようだ。

電子契約とは、電子署名やタイムスタンプを用いて電磁的に締結する契約の手段


「電子署名とは」で検索

次に「電子署名」とは何なのかを見ていきたいと思う。

電子署名とは

電子署名とは、電磁的記録に付与する、電子的な徴証であり、紙文書における印章やサインに相当する役割をはたすものである。
参照:電子署名 – Wikipedia

電子署名とは電子化された文書に対して行われる電子的な署名で、以下の点を解決します。
1.同一性の確認(その文書が改ざんされていないこと)
2.署名者本人の意志が確認できること(本人が確かにその文書に署名をしたことが確認できること)
参照:電子署名の基礎知識|電子認証局会議

電子署名とは電子証明書の利用方法の一つで、実社会でのサインや印鑑に相当します。通常、電子署名をする場合は、電子証明書が含まれます。 電子証明書が実社会における「印鑑証明書」なら、電子署名は「印鑑」と同じ役割を果たしています。
電子署名は、公開鍵暗号基盤(PKI)を利用して、データの改ざん検知と署名者の特定を行うことができます。
参照:電子署名とは|GMOグローバルサイン【公式】

これらをまとめると、
『電子署名とは、電子契約において本人であることを証明する機能』
と言えるのではないだろうか。

署名」は英訳すると「Sign(サイン)」である。

「電子的なサイン」ということになり、海外ではサインの文化なのでこれで本人確認完了というところだろう。
日本的な考え方でいけば、印鑑をポンと押して本人確認ということだろうが、この印鑑が三文判では契約書に押す印鑑としては少々役不足だ。
そこで登場するのが「実印」ということになるだろう。
だとすると、「電子署名」は「契約書に書き込む直筆のサイン」、「契約書に捺印する実印」と同等ということになる。
ここでいうサインや実印は、その契約を締結した本人を証明するもの、確実性を証明するものである。
いわゆる「証拠力」というものになるだろう。

ここでもう一つ「証拠力」を強固にするものがある。
電子証明書」なるものだ。
ここまで説明したように「電子署名」自体が「証拠力」持つものではあるが、さらにそれを間違いないものとして証明仕様とするものが「電子証明書」ということになる。

これに関しては、電子証明書が実社会における「印鑑証明書」で、電子署名は「印鑑」と説明されることが多い。

『電子署名とは、電子契約において本人であることを証明する機能』

電子証明書=印鑑証明書 / 電子署名=印鑑


「電子契約」と「電子署名」の関係

ここまでの話をまとめると、「電子契約」と「電子署名」の関係としては、手段とツールと言うことが出来る。
電子契約」という契約手段を成立させるために、「電子署名」というツールを用いる。

電子契約を説明するには、もちろん「電子署名」だけでは足りないが、ここでは、「電子契約」と「電子署名」という響きが似たワードの違い、関係性についてまとめた。
電子証明書やタイムスタンプ等については、別の機会にまとめていきたい思う。


電子契約」と「電子署名」の関係としては、手段とツール

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